子供の頃からなりたいものがなくて、大学には行ったけどバックパッカーで海外に行ったりして3年留年。卒業後は1年半アメリカに留学してMBAのコースを少しかじって、戻って就職したのが不動産会社でした。大学でFPの勉強をしたので金融、それも先物をやろうと思ってたんですが、親父に「人様をだますような仕事はいかん!不動産をやれ!」と言われて。それで知人に紹介された某大手不動産会社に入ったんです。最初の1年は何もできませんからマンション販売の部門で、モデルルームの整備とか買い出しをしながら接客を教えてもらって。でもその後、自分で仲介の営業をするようになったら鳴かず飛ばず。
「これはまずい」とチラシを配りながら豊明の物件を徹底的に勉強して、知り尽くした頃から波に乗れてきた感じになりました。お客様に聞かれてすぐに「こうですね」って答えられると信頼してもらえるし、それがまた自信にもなるんです。某大手には4年9ヶ月いたんですが最後の方には全国表彰もされ、エリアを熟知する、物件を知り尽くすっていう大事なことを学んだと思っています。実家に戻ったのは31歳の時。特に意気込みとかはなく、2代目として「とにかくつぶさないようにしなきゃ」ってことだけ思っていましたね。
実家に戻って痛感したのが、大手看板の大きさ。僕の営業は変わらないのに思ったほど売れず、大手の名前に信用があったんだと気づいて。そこから自分の言うことを信用してもらえる自分や会社にならないといけないと真剣に考えるようになりました。でも僕は「地元を知り尽くす」というやり方しか知らないので、それなら「豊明に一番詳しい会社になって、お客様のためになることを考えた営業をしよう」ということを一生懸命やろうと決めたんです。
仲介は普通、取引が終わるまでのお付き合いなんですが、グレイス不動産では相続や税金も含めて、豊明で不動産に関わることは一通り応えられるようにして、僕が転勤もなくずっと豊明にいるということも安心感というか、後々でも何かあったらすぐ相談できてってところを大切にしています。
おかげさまで多くのお客様からリピートやご紹介をいただけているのですが、やっぱり初めのお取引がまずかったらそうはならないので、とにかくお客様の期待に応えられる仕事をする。誰にも嫌われないよう誠実にやろうということは常に心がけてますね。
今もお付き合いさせて頂いている某大手の時のお客様には「丸くなったね」と言われます。強引な営業はしてませんでしたけど、それでも当時は数字に追われている感じが出てたんでしょうね。ガツガツ無理をするより、お客様に安心して頼ってもらえる会社として頑張っていきたいと思います。
「お客様の声」を見るとへこむことがあってもすごくうれしくて、「ああガンバロウ!」って思えます。自分たちの何を評価いただけたのか、どう見られているかというのは励みになるので本当にありがたいです。不動産業をやっていて一番うれしいのは、やはりお客様に「ありがとう、グレイスさんに任せてよかった」って言ってもらえること。これが最大の誉め言葉です。
「支店を出す」みたいな話を羨ましいと思うこともあったけど、僕に向かないことはわかっているし、事業を継続していくのは大変なことだと思っているので、夢がないけど「つぶれないように」です。
お客様も代が代わるので、最近は相続の相談も多くて「自分に何かあったらこの子を頼むね」ということにも応えられないといけないんですね。だから仲介に限らず「豊明の不動産のことで何かあったらとにかくグレイスに行けばいいよ」って言ってもらえる不動産会社として存在し続けないといけないし、そうあり続けたい。豊明のこの場所でずっと。だからお客様のニーズに対応しながら、安心して頼ってもらえるような仕事をこれからも変わらずにしていくつもりです。
地元企業として社会貢献活動にも力を入れたいと思っていて、コロナ禍の時には、安心できる環境を作ってもらっている感謝と応援の気持ちで、藤田医科大学病院に洋菓子3000個を2度、寄贈させてもらったのですが、喜んでいただけたことがとても嬉しかった。これからも自分たちにできることを考えて取り組んでいきたいですね。特に子供たちへの思いがあって、豊明の子供たちが自立できるような街になってほしいし、お手伝いしたい。僕は自分の子供がとっくに卒園した幼稚園のパパレンジャーや小学校のオヤジの会をいまだに続けているんですが、将来引退したら昔の寺子屋じゃないけど子供たちに集まってもらって、読み書きそろばんを教えて学力をつけてもらう、そんな活動をやりたいですね。
不動産会社によくないイメージを持っている方や、身構えてしまうという方もまだまだ多いと思います。
僕はこれからもずっと豊明でやっていきますし、お取引が終わって10年、20年経っても「グレイスさん、どうも!」と気軽に声をかけていただきたいから、嫌われてしまうようなことは絶対にしません。「まかせてよかった!」と言っていただけるプロの仕事をするのがグレイス不動産の役割です。とことんお客様に向き合いますので、安心してご相談いただけたらと思います。
趣味・休みの日の過ごし方
ゴルフに行ったり、気の合う同業者の仲間と情報交換をかねて会ったりするのが楽しみ。本音で話せる仲間がいるのはありがたいです。ゲームやマンガも好きで、信長の野望や三国志もやりますし、ドラゴン桜、二月の勝者も面白かった。最近読んでいるのは「カモのネギには毒がある」です。
尊敬している人
あまり言わないけど親父です。服屋をやっていて「これからは不動産の時代だ」って本当に不動産業を始めてしまう人。先見の明があるんですよね。創業するってすごいと思っています。
座右の銘
一期一会。初めての上司に「仲介のチャンスは1回なんだから、1発でお客様に気に入ってもらえるように1回の接客を丁寧にしないとダメだ」と怒られて。それから何事も一度だけの機会、目の前に来たチャンスを取るか取らないかですべてが決まる、人生ワンチャンスと思ってやっています。