こんにちは!西浦です。

豊明市内や近隣の名古屋市緑区・大府市は、

地形的に隣地や道路との間に高低差があるお土地が多いです。

販売価格が相場より安く設定されているお土地は、前面道路が狭かったり、

土地に高低差があり、建物を建てる際に造成費用がかかる可能性が高いです。

お土地をお探しのお客様にとって、造成費用は悩みの種。

グレイス不動産のホームページに掲載している物件情報では、

●高低差があるので、多額な造成費用がかかります。
●がけ条例に該当しているため、建築会社さんに現地を確認していただくことをおすすめします。

など、補足をつけて記載しています。

今日は、お土地をお探しのお客様から、

【がけ条例】って何ですか?というお話をよくいただきますので、

ざっくりとお伝えします。

 

まず、

傾斜が30度を超える傾斜地で、高低差が2m以上あるものを、

地形や形状に関わらず、【がけ】と呼んでいます。

その名の通り、転がり落ちそうな坂もがけですし、

画像のように、よう壁などの垂直な工作物があり、

隣地との段差が2m以上ある場合も同様です。

実は、この高さが2m以上ある【がけ】は、けっこう住宅街の中でも目にします。

で、

近くに高さが2m以上ある【がけ】があると、

がけが崩れた際、がけの上下にある建物の安全を守るため、

【がけ条例】※愛知県でいうと、愛知県基準条例第8条 が設けられており、

がけの近くに建物を建てる場合は、

がけの高さの2倍以上、がけから距離を離す必要があります。

 

例えば、がけの高さが2mとすると、

がけの上にあっては、がけの下端から。

がけの下にあっては、がけの上端から。

4m以内の範囲が、がけ条例の適用範囲となります。

 

文字にすると分かりにくいので、下の図をご覧ください。

要は、高低差の2倍の距離分、建物を離して

がけ崩れした場合の被害を防ぐ。という意味です。

ただ、

土留めやコンクリートで造られたよう壁が

強固で崩れる恐れがなく、安全上支障がない。

または、安全上問題があっても、補強や再構築などで、建物の安全性が確保できれば、

がけの近くでも、建物が建てられます。

 

原則 高さが2mを超えるよう壁をつくる場合には、

建築確認申請を提出することが義務付けられています。

何らかの理由で、建築確認申請や、施工後の検査を受けてないよう壁は、

安全性に問題あり。と指摘を受けることがあります。

土留めやよう壁の安全性については、自治体によって考え方が少し違うのですが、

豊明市では建築をする一級建築士さんに、よう壁の安全を判断していただくことになります。

 

そのため、あるハウスメーカーの建築士さんが

このよう壁では、再構築しなければ建物が建てられない。

という判断だった土地でも、

ある工務店の建築士さんの判断で、よう壁をそのまま利用して建物を建てることができた。という事例もよくあります。

 

ご参考までに、がけ条例に該当しなくても、下の画像の右手にある間知ブロックや、

昔からある石積みよう壁などは、ハウスメーカーさんから強度不足と判定され、

土留めの再構築を求められることが多いです。

その場合は、多額な造成費用が必要になります。

 

また、

がけ上に建物を建てる場合、がけ条例の適用範囲内でも

がけ下から30度の角度(安息角と言います)に基礎杭を深く入れて建物を建てる方法もありますし、

よう壁が建築予定の土地内にあるか、隣地のものなのか。でも、

工事の内容が変わります。

 

ただ、がけ条例に関わらず、敷地内や隣地との間に高低差がある場合は、

造成費用がかかる可能性が高くなるので、

建築会社さんに、現地を見ていただくことをおすすめします。

 

弊社のような不動産会社でも、おおよその造成費用は感覚的に分かりますが、

建築計画、建物の構造、規模、重さや建築会社によっても、

数百万円単位で造成費用は変わります。

 

そのため、高低差があるお土地をご検討される際には、

資金計画に大きな影響が出る可能性がある、土留めやよう壁について、

建築会社さんによ~く現地を確認していただき、見積りを取っていただくことをおすすめします。

 

がけ条例については、『正直不動産』第17巻にも掲載されていますので、ご参考になさってください。


詳しくは『正直不動産』第17巻 75ページ~「がけ条例」
こちら


©大谷アキラ・夏原武・水野光博 / 小学館「ビッグコミック」連載中

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