住宅の地盤調査方法

こんちには東です。
私はグレイス不動産でエスクローという仕事を行っております。
エスクローというのは、皆様が弊社に売買のご相談をいただいた際に
物件の調査を行う役目です。

皆様が不動産取引をなさる際の大切なことや気を付けることを書いていきます。
少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。

前回は【令和５年４月の民法改正】について書きました。
今回は【住宅の地盤調査方法】について書きます。

令和６年１月１日に能登半島地震がおこり、地盤の液状化現象や
建っていた建物の基礎杭が抜けて建物が倒壊するという被害が起きました。
被害に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。

建物を建築するうえで、建物の下の地盤部分がどうなっているかで
建物基礎の補強が必要になります。

一般的な一戸建ての建物を建築する場合、必要な地盤の強さ（地耐力と言います）
がどれくらい必要かご存じでしょうか？

一戸建てを建設する際の必要地耐力の目安は１平方メートルあたり２０キロニュートン
必要と言われております。
これは１平方メートル四方で２トンの荷重が支えられる体力が必要ということです。

この地耐力を測定するために、地盤調査を行います。

一戸建ての地盤調査の簡易的な調査方法は
今はスクリューウエイト貫入試験と言います。昔はスウェーデン式サウンディング試験と呼んでいました。

スクリューウエイト貫入試験は地盤にロッドという鉄の棒を垂直に突き刺し、
その沈み方から地盤の硬軟や締まり具合を調査します。ロッドがスムーズに沈んだ場合は地盤が弱いと判断し、
逆に沈みにくかった場合は地盤が固いと判断します。一般的に敷地の四隅と中央の５箇所を調査します。
調査期間は半日程度です。

先端がスクリュー状になった鉄の棒を垂直に突き刺して、鉄の棒の上部に重りを乗せ、機械で鉄の棒を回して
回転数と沈み具合で地耐力の換算を行います。
固い地層や石などに当たって、棒の空転が続く場合は、調査ポイントをずらして調査したり、
数回ハンマー等で打撃を行って、地層の固さを調べます。

調査できる範囲は地下１０ｍから１５ｍぐらいまでです。
軟弱地盤であれば地下２０ｍ以上の深度でもロッドを貫入させることは可能ですが、
調査深度が深くなればなるほど、ロッドにかかる摩擦力が大きくなり、
試験データの値が大きくなりすぎて解析が難しくなります。

スクリューウエイト貫入試験で調査したデータを基に
地盤調査会社や設計士の先生が一戸建ての基礎補強を検討します。

例えば、地下２．０ｍに１平方メートルあたり２０キロニュートン以上の荷重を
支えることができる地層が１ｍ以上続いている場合は、表層改良工事を行う計画を立てたり
地下６．０ｍぐらいまで１平方メートルあたり２０キロニュートン以上の荷重を支えることが
できる地層がない場合は、柱状改良を行うという計画をします。

新築の住宅をご購入された方は、基礎補強の図面があれば、一度お確かめください。

中古住宅をご購入された方で、図面等の引継ぎがなかった場合は、
建物の近くで、スクリューウエイト貫入試験をおこない、現状地盤の地耐力を調査することもできます。
費用は、調査会社によって違いますが、５万円から１０万円程度になります。

また、マンションなど規模の大きい建物の調査の場合は
標準貫入試験いわゆるボーリング試験という方法で調査されます。
こちらの方法はボーリング機械を使って穴を掘り、そこにハンマーを落下させて強度を
はかる調査方法です。
スクリューウエイト貫入試験と比べると、地質の状態まで調べることができますが、
１日１箇所の調査で、費用が３０万円から５０万円ほどかかります。

たまに空き地にやぐらを組んで調査をしていたり、
道路の建設などで道路横の歩道などで調査をしているのを見かけます。
以前、工場やガソリンスタンドなどがあった場所で、土地をご購入される前に土質を知りたい場合や、
土留めを伴う工事を行うため、住宅の地耐力以上の地耐力が知りたい場合などに利用します。

地盤調査、支持地盤の検討をして、適切な地盤補強を行って、大切な住宅をお守りください。

弊社には、豊明市内の古地図がございます。
昔の地形がどうなっていたか、今とどのように変わっているかをご覧いただけます。
豊明の不動産のことなら、グレイス不動産にお問い合わせいただけますと幸いです。

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